故障車や事故車などの牽引作業とは、普通に考えられるほど簡単なものでもありませんし、ただ引っ張って走るという単純なものでもありません。特に後続車の追突事故防止には細心の注意が必要です。また、万が一にも牽引走行中に自ら事故を起こすようなことがあってはなりません。ただでさえ事故現場は危険な場所で、しかも予想もできない悪条件下で作業を行うわけですから、小さなミスでも取り返しのつかない事故を誘発することがないとは言い切れません。実際、レッカー牽引作業での死亡事故も毎年少なからず発生しています。故障車や事故車の率引がいかに危険であるか、それを自覚して作業をしなければなりません。

牽引作業に従事する人は、相応の免許資格、あるいは専門的な技術知識が必要です。現状では、大型自動車運転免許や牽引自動車運転免許の他に、三級自動車整備士、玉掛技能講習修了者で移動式クレーン運転免許くらいまでの資格や知識がなければ、交通事故現場で安全迅速にレッカー作業を行うことは難しいでしょう。
とはいえ、これまでわが国では牽引作業に関する「標準作業規定」といったものが整備されておりません。ですから、レッカー車の装備にも厳密な義務付けはなくまちまちです。これはわが国のモータリゼーションの歴史の浅さ、そして牽引技術の立ち遅れを意味するもので、欧米諸国と比較するとその差は一目瞭然です。日本の場合、専用の牽引車はほとんど存在せず、その多くはクレーン車を改造転用しているのが実情です。ひどいケースでは、クレーン車そのものがレッカー車として流用されていることえさえあります。こうした現状がいかに危険であるかは、重量配分ひとつとっても明らかであり、多くを説明する必要もありません。

用途に応じて正しい機器を選ぶことはあらゆる作業の基本です。そして、その機器をどう使いこなすか、というのが技術であり、経験で磨かれた熟練が専門家を生み出していくのです。高速道路が全国的に伸長され、その網の目はさらに日を追って広がっている今日、車両救助作業に携わる人は自らの職務の重大さを認識すると共に、その責務を十分に果たす為に必要な技術知識を習得しなければなりません。

一方ドライバーに目を向けてみますと、大変残念なことに多くのドライバーは故障などで停車している状態が通行車両の進路妨害だという「ルール違反」の認識がありません。当事者にとっては愛車であっても、他の車からすれば危険な障害物以外の何者でもないのです。たった一台の牽引の為に、何百台、あるいは何千台という車が規制され、時には予測もつかない二次災害へと発展し、最悪の場合は死亡者も出てしまうという現実があります。
我々の行う牽引作業は、このような危険な障害物を出来る限り速やかに排除し、正常な道路交通を回復することにあります。とりわけ、事故や故障は天候や時刻に関係なく常に突発的に発生します。しかも、事態は必ず急を要しますから、いつでもフル装備で出動出来る態勢を整えていることが必要です。また、現場では少しのミスも許されない緊張の連続に直面します。沈着・冷静・的確な判断・迅速、そして正しい技術知識があれば何も恐れることはありません。
以上は、牽引技術者として働く人たちにぜひともマスターしていただきたい基本を述べたものです。
また、指令受理から出動までの基本態勢は、日常の心がけとしても大切な実務ですから、(ベテランも毎日一回は)熟読してください。

ロードレスキュー

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